添加剤Ⅰ

添加剤について調べると

幼虫の栄養摂取 セルロース(高分子多糖類)→菌糸による低分子化→摂取→微生物による消化→消化酵素による消化→吸収

クワガタにも産地・血統によって好みがあるかもしれません

単純な多糖類の分解吸収のどこに鍵があるのでしょうか?

 

炭素・窒素比(C/N比)、好気・嫌気バクテリア等を考慮して

実験してみました


オオクワガタの幼虫は菌糸(白色不朽菌)によって分断されたセルロースを摂取して成長します

 

ヒラタケ菌主成分 水分90.4 蛋白3.3 脂質0.3 糖質5.2 灰分0.8 

の割合となっています

オガ成分による割合の変動も加味しなければなりませんが、添加剤でプラスαした場合 幼虫体重・羽化個体には有意差が認められるか実験してみました

 

菌糸はKBファームのAG菌糸を使用、添加剤の有無による成長・羽化個体の違い

また、異なる銘柄の菌糸(ギネス作出のHS菌糸との比較)もしてみました

 

同時に ワインセラーvs温室・エアコン管理の環境の変化による違いも検証してみました

   

*サンプル数が少ないので参考程度にご覧下さい


 

添加剤:

麦芽、小麦、トレハロース、乳タンパク、ビール酵母、キトサン、プロテイン、アミノ酸、コーンスターチ

(昨年C/N比(13:1)にて配合した物から結果の良かった配合を選択) 

 

使用ライン:

2011年久留米ライン(11KU-1・11KU‐2)

 

 

2011 KU-1 DATA 


 無添加・添加A・添加B・添加C・オリジナル・プロテイン・HS菌糸

 

           2本目交換時

 
無添加(ワインセラー) 17.0
         (エアコン) 19.0 7.0
プロテイン 23.7
添加 A 22.9 12.8
添加 B 25.9
添加 C 23.7 11.9
オリジナル 24.3 11.9
HS(ワインセラー) 11.8
HS(エアコン) 25.2 11.7
AV. 22.175 11.175

  

 エアコン管理 環境下で比較
  ♂  HS>添加B>ORG>添加C>添加A>無添加
  ♀ 添加A>ORG>添加C>HS>無添加
 

 

2010 KU-2 DATA 


  無添加・添加A・添加B・HS 

 

            2本目交換時

 
無添加(ワインセラー) 11.9
         (エアコン) 20.0 10.2
添加 A 26.0 11.5
添加B(エアコン) 27.6 10.0
添加B(温室) 10.8
HS(エアコン) 28.5 11.7
AV. 25.53

11.00

 

 エアコン管理 環境下で比較
  ♂  HS>添加B>添加A>無添加
  ♀ 添加A>添加B>ORG>HS>無添加


考察

添加剤の配合による違いが成長過程・羽化サイズに影響しています

使用菌糸によっては もう少し添加を抑えることが出来きる事

熟成期間を短縮できる事

選択する菌糸によって可能ではないかと考えられます

手間がかかる事 コストの低減など もう少し簡略化することが課題です

 

添加剤は 無添加の菌糸にプラスαの要素を見込むことは可能であると思います

菌糸が良い状態で保てる事を第一として今後も続けていきたいと思います